Fortmareiがデザイン・クリエイティブディレクションを担当したApollo Future Mobility Groupのエンジニアリングプロトタイプ「G2J」が発表されました。 G2Jはドイツで開発され、AFMGのグループ会社であるGLMのエンジニアリングとパワートレイン開発の専門知識を活用し、2年以上にわたって開発が行われてきました。

G2Jは走行可能なエンジニアリングプロトタイプで、AFMGの将来のEVスポーツカーラインナップの基盤となるパワートレイン、コネクティビティ、デジタルエコシステムの主要技術の改良と検証のための高度なテストを行うべく開発されました。車両の研究開発プロセスはAFMGグループの将来のEVスポーツカー製品を支えるもので、GLMのEVプラットフォームが採用されています。また最先端の軽量複合材を使用したクルマづくりへの長期的なコミットメントを達成するため、開発プログラムにはカーボンファイバー構造の高度なテストが組み込まれており、AFMGの将来のエンジニアリングの方向性を示唆するものです。

ハイパフォーマンスカーらしい官能的で有機的な美しさと、設計哲学が反映された幾何学的でハイテクなディテールを高次元で融合させることをG2Jのデザイン言語に設定し、デザイン開発がスタートしました。アポロのハイパーカーのDNAを受け継ぎながらも、日常の移動手段の領域へも踏み込んでいくAFMGが描く将来のデザインのヒントを示唆しています。

G2Jのエクステリアを構成するキャラクターラインはエアインテーク周りにのみ論理的に配置されています。それらのラインの間に生まれる面の動きは、ドラマチックなアポロの世界観をより有機的に表現。様々な技術的なテストを想定されたテクノロジーショーケースらしく、最先端のエンジニアリングと刺激的なデザインのバランスを保ちながら表現されています。面構成を考える上ではシャットラインの配置も重要な要素であり、唐突に面の流れを分断することを避けながらデザインしました。それらの目立つラインを利用して面の動きを考え、シャットラインがあるからこそ成立するデザインとしてまとめ上げています。特に跳ね上げ式のドアが開いたときにはシンプルなボディと対照的に、ドラマチックで美しいドアの造形が際立つように工夫を取り入れています。
インテリアデザインも曲線美とハイテクの融合というデザイン言語が出発点となっています。ステアリングやディスプレイ、エアコンの吹き出し口やスイッチなどの機能部品は幾何学的なデザインでまとめ上げ、それらをつなぐ大きな面にはドラマチックな動きを与えながらデザインすることを目指しました。一見するとユニークなダッシュボードの形状も、面の流れの方向を転換したり不必要なキャラクターラインを配置せずに、必要最低限のハイテク要素をピュアに繋ぐ面で構成しています。ダッシュボードやアームレストなどがシンプルなデザインのカーボンバスタブに浮いたように配置されることで、ハイパフォーマンスカーらしい軽さの表現にも寄与しています。カラーマテリアルデザインにおいても、クラフトマンシップを感じさせるディテールをハイテク素材の中にちりばめることで、自動車の歴史に敬意を表しつつ、未来的な内装空間にまとめ上げています。